猫を飼い始めた。すっかり夢中である。それまで何の興味もなかった猫グッズにも興味が出てきた。特に猫のオモチャを捜していたこともあって、散歩の途中にそんなお店がないかとネットで検索すると、以外にも玉造界隈に2軒あった。
「ギャラリーまる」は猫グッズだけを置いているお店ではないようで、猫のオモチャがあるかどうかはサイトを見る限りでは分からなかった。もう一軒の「仲野金太郎商店」のほうは、猫グッズ専門で、社長に愛猫を据えるくらいの猫バカ(失礼!)ショップのようだった。
その日は土曜日で、いつもの玉造界隈お散歩コースをカメラに押さえるべく午前中から出かけた。仲野金太郎商店はネットで場所を調べたこともあって、すぐに分かった。玉造筋から坂道を上ってきて左手の角だったが、残念なことにお休みであった。表から見る限りだと毎日開いているふうでもなかった。後日、散歩の途中で前を通ったら正面ではなく横の入り口が開いていて、中が見えていた。お客がいた。営業はしているんだなと思ったが、散歩には財布を持ち歩かないので、また今度にしようと、それっきりになっている。 ギャラリーまるは、はっきりした場所は分からなかったものの、この辺りかなと見当を付けたところを歩いていて、唐突に出くわした感じのお店だった。三段の棚にいろいろグッズが展示されているショーウインドウの真ん中に、白黒の猫の置物があった。

いかにも「猫のお店」の演出に思えた。猫の置物も精緻な作りだ。近づくと猫の目がギロリと動いた。「おっと!、本物の猫だ!」。まさに看板猫にふさわしい不動の姿勢には感動するものがあった。
後日、ギャラリーまるの前を通った時、たまたまご近所さんという感じの方と話ができた。聞くところによると、白黒猫はギャラリーまるの飼い猫ではなく、近くの牛乳屋さんの猫らしい。エサを貰えるのか、毎日のように来て、ショーウインドウの二段目の棚の真ん中に座っているのだそうだ。まさかよその猫だとは思わなかった。ただ、その後も何度か足を運んでいるのだが、残念なことに一度もお目にかかれないでいる。

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