ベイ&リバーサイドパーティー大阪2011という、大阪の川をいくつかのコースに分けて水上クルーズできるイベントがあったので参加した。そのコースの一つが大阪ドーム前から名村造船所跡までの木津川クルーズだ。残念なことにその日だけのイベントだったが、幸運にも見事な晴天に恵まれた一日でもあった。 誰もが待ちに待ってたのだろうか、クルーズ船は満員だった。背の低い船の座席に着くと、川の水面は伸ばせば手が届く近さだ。もちろん、密閉性の高い窓ガラスに遮断されているから濡れることはない。ただ、ここまで水面に近いところから川を眺めたことはなかったので、新鮮な驚きがあった。 船は大正橋をくぐり、四角い上部構造が目を引く木津川鉄橋の下から、通過するJR電車を仰ぎ見る。

川の両側は切り立つようなコンクリート護岸壁だが、所々その護岸壁が切れている。そこには小さな造船所があったり、船を修理するドッグがあったりする。地上側からも見たりして、もっとじっくり見学できれば、「大阪好奇心遺産」に登録したい風景にきっと出会えたに違いない。 昔はもっと盛況だったんだろうなと思える佇まいが垣間見える。昭和の時代にこの川下りができたらどんなに楽しかっただろうかと思ってしまう。その頃に比べると木津川の水もきれいになったらしい。町に元気があふれている時は川は汚れ、元気がなくなると川もきれいになっていく。まるで、人間の悪行を皮肉られているようだ。

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