タイの空気感「バンコクは楽し」

ホアヒンの帰り、半日だけバンコクに寄った。例によっての、バンコクで買い物をさせようという旅行社の企みに乗ることにしたのだ。こんなことでもないと、リゾート帰りにバンコクを見物することもないと思ったからだ。
待ち合わせ場所に現れた現地ガイドは、よれよれのズボンからシャツの裾がはみ出ているのにも気づかない、先月田舎から出てきました!でも精一杯、頑張ります!みたいな、思いっきりあか抜けないお兄ちゃんだった。ただ確かに額に汗する一生懸命さは伝わってきた。肥満体型で、やたらと汗かきだったから、こちらが勝手にそう思い込んだのかもしれないけど…。

チャオ・プラヤーを渡って、ワット・アルンへ行く

まず始めに連れて行かれたのは、バンコク観光のハイライト、タイ王宮だった。たぶん、誰もが想像するタイのイメージそのままに黄金色の仏塔が建ち並び、ちょっとテンションの上がる場所だった。それから、チャオ・プラヤー川を渡し船で渡って、“暁の寺院”として有名なワット・アルンに行くことになった。船着き場を出て寺院の敷地に入ると、そこには観光客目当ての蛇遣いが行く手を阻むように黄金色の大蛇を首からぶら下げていた。
「おっ、と、と」。

蛇嫌いでもないワタシでも、その横をすり抜けるのは躊躇われた。と、仲間の一人が蛇と一緒に写真を撮りたいと言い出した。はっきり覚えていないが、100バーツ位を支払うと黄金色の大蛇を首にかけてくれて写真を撮ることができるのだ。別の誰かも「私も撮りたい!」と名乗りを上げ、互いに写真を撮り合うことになったのだが、大蛇が首をひねる度にキャーだのワーだの大騒ぎであった。そんなこんなでワット・アルンの思い出は、陶器のモザイクで美しく仕上げられた仏塔よりも、黄金色の大蛇の印象に染まってしまったのだ。

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