大阪には市営地下鉄と連携した「大阪あそ歩」という町歩きイベントがある。またそれとは別に関西の私鉄と連携した「関西あそ歩」という町歩きもある。福島・海老江なら地下鉄の駅もあることだし「大阪あそ歩」でいいんじゃないかと思うのだが、阪神電車に気を遣ったのか、あるいは譲ったのか「関西あそ歩」のイベントとして開催されていた。
阪神電鉄福島駅で集合した参加者は、ボランティアの案内人に連れられて海老江界隈を回ることとなった。この時のコーステーマは「石畳路地の郷愁に誘われて大和田街道をゆく」であった。大和田街道なんて聞いたこともなかったし、海老江界隈などほとんど歩いたこともなかったので参加を決めたのだが、石畳路地にかつての面影はなく、昭和40年代以降に建てられた家々の間に、わずかに残っているだけだったし、古めかしい木造建築もちらほらと見受けられるといったものだった。また、史跡の大半は跡形もなく、かろうじて石碑が残っているのを見て回るというもので、印象に残っているのは案内人のおじさんの熱い語り口だけだった。学校の先生だったとかで、地元の歴史家として、講演や発表会などをこなしているということでもあった。
最後に訪れた福島の聖天さんが白眉といえば白眉だったかも知れない。神仏混合を絵に描いたような場所で、雑多感あふれる大阪の宗教施設のお約束を裏切らない、おもろい場所だった。
入り口は立派な鳥居もあって明らかに神社の体なのだ。石畳の短い参道を進むと山門があった。山門? お寺なのか? 敷地内はまごう事なきお寺だった。宗派は東寺真言宗で、正式名称は如意山 了徳院。本堂内陣には歓喜天(十一面観音菩薩)が祀られている。松尾芭蕉の句碑などもあって、やっぱり!なのである。
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