今にして思えば、ご大層なタイトルを付けたものだ。有り体に言うなら「オッサンの徘徊記録」である。ただそれだけのことなのだが、町歩きの中で思わぬ発見や出会いがあったものだから、写真を撮ったりなんかして、つまるところ「本にでもしてみるか…」ということになった。しかも、家族や仲間内に見せると案外と好評なので、調子に乗って印刷までしてしまった。いわゆる自費出版というやつである。以来、暇に飽かして続けていたら6冊を数えるまでになった。当然出来の良いのと悪いのがあり、校正ミスなども少なくない。プロとしては情けない有様ではあるが、チカラある限りこれからも続くのだ。乞うご期待!

若い頃から旅先で撮り貯めたたくさんの写真を、何とかせねば…と思っていた。それで思い切って「旅行記」的なものをつくったのが、言わば私の本作りの始まりである。気持ちの入った手作り3部作だ。

写真を撮っている時はそうでもないのだが、本をつくる時は読ませたい人を想定してつくることが多い。「お気に入りと暮らす」では高校時代からの友人達に。「アイ アム ロウタ」では、妻と友人夫婦とキャッテリーの方に。「四十二年目、再会の夏」ではクラスメイト全員に。「山添村と芸術の森を行く」と「今年は養老の滝だ」は、妻と浦家の家族全員に。という具合である。正直モチベーションも高まるし、制作時間も短くなる。ただ、つくっている時は楽しいのだが、カラーコピー機で出力して製本するのがとても面倒くさくなってきている。たぶん年齢のせいだろう。

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