それは、阪和線日根野駅前の薄暗いロータリーに止められたクルマの中で、まるで非合法な取引でもしているようだった。私たちは後部座席に乗り込み、クルマの助手席に置かれたカゴの中から出てきた子猫を見て、二人とも思わず「カワイイ!」と声を出した。紛れもない一目惚れである。
友人でスコティッシュフォールドの飼い主でもある岩谷夫妻とお好み焼きを食べながら、猫の話をたくさん聞いたのが前日の夜。それから24時間も経たないうちに子猫「朗太」は我が家で走り回っていた。
まさに電光石火のごとくの決断と行動に当の本人たちが一番ビックリしているのだ。ある意味、運命だったのかも知れないなどと大仰なことさえ思ってしまう。猫を飼うことにしてから約3カ月。決まる時はあっけないものだった。

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