タイの空気感/Thailamd Air
A4サイズ・32ページ
バンコク国際空港からマレー半島を南に下って車で2時間半。タイ湾に面した田舎町、それがホアヒンだ。広いタイ湾に面して恐ろしく長ーい砂浜が続いている。そんなホアヒンは南北に鉄道と平行して大通りが貫き、東西にいく筋かの通りが交差しているこぢんまりとした町である。
ホアヒンにはリゾート客を目当てにした土産物屋もたくさんあるし、トゥクトゥクと呼ばれる3輪タクシー商売なども観光客で成り立っているのだが、何かしら町全体に観光客を当てにしない人々の暮らしがしみじみとしているように思えてならない。特に大通りの西側は「気まぐれな観光客など眼中にはないぜ」的な空気に満ちていて、明らかに観光客相手のポストカードを店頭に並べておきながら、店の主人はテレビドラマに夢中で、声をかけても振り向きもしない有様なのだ。もともとタイ王室にゆかりのある町のせいで、品の良さがあると聞かされてはいたが、客に媚びないにもほどがある。というよりヤル気そのものに問題があるような気がしないでもない。
(ホアヒン・部分)